~宿命~
第26章 最強と呼ばれる弱き者
料理を食べ終え、みんなが話込んでいる中、俺は一人で部屋を出て夜風にあたりながら玄関先でミルクを飲んでいた。
この日は月が綺麗で雲一つなく、庭で鳴いている蛙が季節を感じさせてくれていた。
俺は空瓶を月光で透かし、安居の事を思い出していた。
最後の別れを思い出すと涙が溢れだしてくる。
そんな思い出に浸っていた時、水和が出てきて横に座った。
俺は素早く涙を拭い、月を見たまま話しかける。
明隆:「どうした?こんな所来てもおろもないぞ。」
水和:「あなたに一つ聞きたい事があるんです…聞いてくれます?」
明隆:「明隆でいいよ。それで話ってなんや?」
水和はさっきまでの明るさがなく、何か悩みがあるような落ち込んだ態度で聞いてきた。
水和:「私…東京でパートナーが居たんですけど、捨てられてずっと独りぼっちだったんです。その時、明隆さんの噂を聞いてこっちに移ってきたんですよ。でも、凄く恐い人だと聞いていてかなり不安でした。会ってみると噂は噂に過ぎないと分かりました…」
この後も噂と現実について話続けた。
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