~宿命~
第29章 ありがとうの言葉
誤心会の奴等を捕まえて6時間が経った。
水和の怪我も大したことはなく、瓶の破片も入っていなかった。
そして、本部に戻った俺は水和を部屋で休め、捕まえた誤心会の所へ向かった。
正道:「ハケっ!この野郎!」
物々しい音と怒鳴り声が薄暗い物置部屋から聞こえる。
明隆:「おい、ちょっと待て!」
中に入った途端、愕(がく)然とした。
両手を縛り、動きを封じた奴等に攻撃を浴びせていた。
辺りには奴等の血が飛び散っている。
明隆:「正道。これはどういう事だ。」
正道:「兄さん。これは…その~、誤心会の情報を聞き出すために…」
明隆:「テメェ。俺の言った事が分かってねぇようだな。いくら敵でもこの状態で殴るのは許せんな。」
正道:「い、いえ…待って…」
俺はいきなり正道のお腹を殴りつけ、踵(かかと)落としで床にひれ伏した。
明隆:「二度とこんな真似はするな。これから人を殴る時は俺に許可を取れ。分かったか?」
正道:「ゲホッ…分かりました。」
明隆:「定道、孝道、コイツを連れて今日は帰れ。また、連絡する。それから、戦う準備をしておけ。決着をつけるまで時間はかからんからな。」
迦楼羅団体を追い出し、奴等と話を始めた。
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