~宿命~
依頼主:「早かったのね。まぁ、中へどうぞ。」
今回の任務はランクS。
旅館の骨董品が頻繁に盗まれるといったアホらしい仕事だ。
なのにランクSってかなり気になる。
話によれば誰も泊まってなく、戸締まりも完璧。
窓も割れた形跡すらないのに無くなっている。
警察に通報してもしっかり対処してもらえず、藁をも掴む思いで俺達を雇ったらしい。
明隆:「おばちゃん、そんな事言われてもドラマみたいに推理できへんで?」
依頼主:「分かってるけど、あなた達は信用出来るって警察の方が言ってたわ。」
明隆:「ちぃっ。余計な事言いやがって。…分かった。任せときな!」
俺と水和は泊まって様子を伺う事にした。
明隆:「何で誰も泊まってねぇのにお前と同じ部屋なんだよっ!これじゃ家(本部)と同じじゃねぇか!」
水和:「だって、怖いもん。その代わり一緒の布団で寝てあ・げ・るっ!」
明隆:「いや、一緒の部屋でいいから離れてくれ。」
分からなくもない。
旅館で一人ってのは寂しくて恐ろしい。
無駄に広く、月明かりが恐怖を演出するからだ。
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