~宿命~
俺は戦いに向けた準備に取りかかる。
カラスマスクとストーカー退治の時に使用した愛用の戦闘用手袋を着用し、車のトランクから族狩りの時からの相棒である木刀を二本取り出した。
準備が整うと水和に声をかけた。
明隆:「沙奈羽。俺は奴らを潰しに行く。どうなるかは分からない。もし、死ぬような事があったら俺の携帯に入ってる全ての人にメールで報告してやってくれ。」
水和:「嫌よ!私も行く!」
明隆:「何言ってんだ。足手まといになるだけや!それにお前を危険にさらすつもりはねぇ。お前に命令を出す。傷ついた彼らの手当てをしてやってくれ。」
水和:「…。」
明隆:「返事が聞こえん!……なぁ。頼むよ。分かってくれ。俺はもう、パートナーを失いたくない。」
俺だって不安だった。
腕に自信があっても死ぬ時は死ぬ。
やられた仲間もまさか自分がやられるとは思ってもいなかっただろう。
人は恐怖を恐れたら負けてしまう。
恐怖に立ち向かわなければ何も始まらない。
俺は周りの仲間や水和、そして安居に恐怖と戦う強い心を貰った。
他人の為に戦う強い心を。
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