~宿命~
明隆:「いいか。ここからは周りや足下に十分注意しろ。奴らはどんな手を使ってくるか分からん。それから、今からペアをつくる。もし、罠に掛かり、怪我を負ったらペアの者が手を貸して着た道を帰れ。」
全員:「了解!」
一人ずつ名前を読み上げペアを作った。
19人と中途半端だったので俺一人と9ペアに別れた。

いくら歩いても罠など何処にも見当たらない。
全員が人間の心理をついた策だと思い、警戒を怠った時、事件は起きた。
俺が後ろの仲間が気になり振り向くと、最後尾にいた一人が左の草むらから出てきた手に引っ張られてしまった。
明隆:「停止!警戒しろ!」
全員の足を止め、消えた仲間を探しに草むらに入っていった。
罠があってもおかしくない雰囲気だが、仲間を失うよりマシだった。
草むらの中心部は綺麗に刈り取られており、そこに仲間が血を流して倒れている。
明隆:「大丈夫か!」
彼はコクリとうなずいた。
太ももを刃物らしき物で切られていたが、深い傷ではなかった。
すぐさま彼を抱きかかえ、仲間の所まで運んだ。
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