~宿命~
明隆:「連れて帰って手当てしてやってくれ。」
ペアを組んだ者にけが人を託し、罠の正体を告げた。
明隆:「これは罠なんかじゃない!奴らが潜んで一人ずつ潰していく作戦だ。上にも気をつけた方がいい。地面の盛り上がった場所、草むら、木が密集してる所には近づくな!」
全員:「了解!」
再び、歩みだした。
出発してから1時間半ぐらいが経った。
ようやく森の先に違う風景が顔を出す。
だが、そんな簡単に行かせてはくれない。
出口に近づくにつれ、周りの草むらから複数の足音が聞こえてくる。
その音はだんだん大きくなり、間近に迫った。
それぞれの持ち場に着いたのだろう。
ピタリと足音がやみ、視線だけを感じた。
俺は手で全員に止まる合図を出し、周囲に気を配る。
その時、仲間の一人が耐えきれなくなり、草むらに近づいた。
覗こうとしたのだろう。
明隆:「下がれっ!」
一足遅かった。
彼の足音が合図となり、草むらに潜んでいた奴らが鎌(かま)を振り上げて飛びかかってきた。
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