~宿命~
草むらに近づいた仲間は肩を切られ、倒れ込んでいる。
俺は数人を相手しなければならなかった為、仲間をかばう事が出来なかった。
必死に木刀を振り回し、ダメージを与え続けた。
鎌よりリーチの長い木刀のおかげで無傷で蹴散らす事が出来た。
明隆:「おい!怪我した奴はいるか?」
正道:「三人います!」
明隆:「ペアの者が手を貸して戻ってやれ!定道、何人行ける!」
定道:「11人です!」
明隆:「分かった。定道は敵の人数を数え覚えといてくれ!森を抜けたら少し休憩をとる。」

休憩中、定道に敵の人数を聞いてがっかりした。
なんと、33人。
どこからこんな人数を集めたのか疑問だった。
しかし、族狩り時代に比べると大したことはない。
ナイフや木刀を振り回し、単車で襲いかかってくる。
最低で約20人、最高で約90人をたった16人で潰していた。
戦いの最中、俺が仲間の事など考えもせずに先頭をきって突っ走り、相手の策にはまってやられかけた時もあった。
それが原因で入院した者や手術を受けた者までいる。
俺はそんな過去の自分の未熟さを恨んでいる。
今でも悪夢にうなされ苦しむ事も少なくない。
だからこそ仲間を見捨てたりはしない。
< 179 / 200 >

この作品をシェア

pagetop