~宿命~
頭がずきんずきん痛む。
まだ意識がハッキリしてなく、友達の呼ぶ声がフワフワ空気に漂っている感じがした。
俺は何も考えず、まぶたを閉じた。
チャイムの音で目が覚めた。
もう、友達は居なかった。
ゆっくり体を起こし、頭を確認する。
ガーゼが丁寧に張ってあり、その中央部分がモッコリしていた。
明隆:「せんせ~?せんせ~??おらんの?」
半泣きで助けを求める。
先生:「いるよ~。大丈夫か?キミ、よく来るなぁ?どれ?見せてみい?」
ガーゼの中身を確認した先生の反応に俺が反応した。
先生:「うわっ!凄い腫れとるゎ!もう少し冷やしとき。」
明隆:「そんなん言うなや~。」
この頃は泣きべそだった。
怪我しても怪我させられても泣かないのに優しくされると泣いてしまう。
俺は頭に氷水をひっつけ、ヒックヒックいいながら先生の後ろの陰に隠れている何かを覗き込んだ。
女の子:「ばっ!」
明隆:「ヒィッ!」
ぴょんと出てきたのは違うクラスの女の子。
明隆:「やめろよ~。」
女の子:「何で泣いてんの?」
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