~宿命~
―――思い出―――
あれは、小学生の時。
俺は虐められていた。
ガリガリで背もちっちゃく、オマケにおかっぱだったからだ。
だけど、俺は負けなかった。
下級生の悪ガキに蹴られたり、ボールをぶつけられても強がっていた。
次は避けてやると。

友達と校庭にある滑り台で遊んで遊んでいた時、事件が起きた。
滑り台のてっぺんにあがると、下に居た友達が何か叫んでくる。
だが、周りで遊んでいる子達の声で上手く聞き取れない。
柵のような物から身を乗り出し一生懸命聞こうとした。
今、考えたら危ないに決まっている。
俺は背中を誰かに押され、そのまま頭から地面に落ちた。
覚えているのは押された感触と近づいてくる地面。
砂利や雑草を鮮明に覚えている。
その後、揺れる真っ青な空がうっすらみえ、雲一つなかった。

気が付くと俺は友達に囲まれて保健室のベットで寝ていた。
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