~宿命~
不良達が逃げて行くのを見届け、安居に電話しようと携帯を取り出す。
明隆:「あっ…!」
携帯のメモリーに安居の名前すら入っておらず、不安が込み上げてくる。
俺は勘を頼りに現在地周辺をくまなく探し回った。

4時間後、一軒の喫茶店に入り、店内を見渡した。
すると、一番隅っこの席で寝ている安居の姿があった。
手にはしっかり携帯を握り締めている。
風邪を引かれては困るので優しく起こしてやった。
明隆:「お~い。安居~。帰ってきたで~。」
起きたのはいいが、顔を見るなりほっぺたを平手打ち。
明隆:「ぬぅぉぉぉ!何しやがる!凶暴クソ女!」
安居:「バカ!何時間待たせるのよ!しかも、凶暴クソ女って…ヘェ~ン…」
明隆:「えっ!?何泣いてんねん!俺が泣かしたみたいじゃねぇか!てか、みんな見とるから泣くな~。」
これだから女のパートナーは嫌だった。
泣いても何も解決しないのに…。
俺は安居が泣きやむまでミルクを頼み続けた。
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