~宿命~
リビングに通された俺達は早く外に出ようと話を進めた。
明隆:「ほんで、話ってのは?」
T:「そんな焦らずゆっくりしながら話そうじゃないか。」
明隆:「あいにくだが、俺は忙しい身でね。レポートを書かなきゃならんのだ。」
T:「大学生も大変だな。実は、君達に頼みたい事があるんだ。」
安居:「学生の私達に頼み事ってどんな事?」
T:「言いにくいんだが、この子を探して欲しい。」
Tは一枚の写真を見せてきた。
その写真はどう見ても隠し撮りで撮影された物だと分かる。
明隆:「コイツはあんたの何や?」
T:「この子は俺の息子だ。昔に別れた女房とのな。」
明隆:「捕まえてどうするん?」
T:「久しぶりに話がしたいんだ。頼む。探してくれ。」
明隆:「悪いけど、俺らには無理や。大学なんてクソくらいあるし、写真だって横を向いてて顔が半分しか分からん。すまんが、帰らせてもらうゎ。」
俺らが立つと同時にTの態度が変わった。
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