~宿命~
明隆:「お前、変やぞ?言っとくが俺は奴に負けたとは思ってねぇから気を使うな。」
安居:「その割には落ち込んでるじゃない。」
俺は確かに落ち込んでいた。
理由は仕事が不十分だったとか元021に歯が立たないからとかではなく、パートナーを守ってあげれなかったからだ。
《自分は腕が立つ!》などとそんなナルシスト的考えは持っていなかった。
俺は純粋に自分が傷ついても大切な奴を守ってあげたいと考えるようになっていた。
不良につけられた時に不安と恐怖がにじみ出ている安居の表情を見て自分と居る時ぐらい安心させてあげたいと思ってからだ。
今までの考えを帳消しにして大人への第一歩を踏み出したのは…。
暴れる事しか能がなかった俺が人を守ろうとして失敗し、落ち込んでいる。
そんな俺を優しく気遣う安居。

俺は必ず大切な人を守れる強い男になる!と心に誓いミルクを飲み干した。
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