~宿命~
ドアの前に来た時、安居が俺の動きを止める。
安居:「待って!」
俺は振り返らず、返事をする。
明隆:「なんや?俺はもう行かんと。」
安居:「よしよししてくれてありがとう。」
明隆:「やっぱりガキや。お前は。無茶すんなよ!お大事に。」
背中越しに手を振り、
明隆:「元気でな…朋香。」
小声で最後の別れを告げ出て行った。
ドアの外では安居のお母さんが泣いて立っていた。
安居の母:「よく頑張ったわね。」
明隆:「ありがとうございました。もう、お会いする事はないでしょうが、もしもの時は声を掛けて下さい。」
安居のお母さんと話していると、中から安居のすすり泣く声が聞こえてきた。
安居の母:「ちょっとここに居てくれる?」
そう言って中に入って行った。
壁にもたれ、聞こえてくる会話に耳を傾ける。
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