君色チューリップ

ひまだし寝ることにした。







ーがらがら

病室の扉が開く音で目を覚ます。

「あ、優希」

目を覚ましたときにはお母さんはもういなかった。

『もう行くね』と書いてある紙が目についた。

「愛美、戻ったよ」

「ねえ、どこ行ってたの?」

そう言うと優希は

「チューリップ畑だよ」

っと答えた。

「ほら、あそこの」

病室から見える花壇を指差しながら優希は言う。

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