君色チューリップ
ゴクッと音を立ててパンを飲み込み、アイロンを丁寧にかけていく。
ほんとはこんなことしてる時間ないんだけどね。
身だしなみは大切よっと自分に言い聞かせながらも淡々と用意をすませていく。
『8:59』
21分で用意を済ませた・・。
われながらにすばらしいタイムだ。
こうしちゃいられない。
ここからが重要だ。
学校までは走って10分もあればつける。
「いちについて、よーいスタート!」
こんなに急いで走ったのは人生で1か2を争うぐらいだ。
『9:06』
息をきらせ、髪をきれいに整え校門をくぐった。