君色チューリップ

「愛美ちゃーん遅刻ね」

靴を下駄箱に入れているときに上から聞こえた声。

上を見ると担任の 愛川恵理先生 がいた。

通称えっちゃん。

「えっちゃーん」

「早く早くー」

友達の会話みたいな会話を私たちはたった今ここで繰り広げている。

たったったったと階段をあがり3階にある 2-1 へと向かった。

「愛美おっはー」

そう言ってきたのは結愛。

「おはようー」

はあはあ・・っと息をきらせながらも席についた。

「遅刻とかだっさ」

ちょくちょくといやみを言ってくる隣の席の男子 斉藤瑞希。

黒髪が印象的で目までかかった髪はさらさらしていてちょっとSなところが女子から人気でかなりモテル男子だ。

私にはなにがいいのかまったくわからないのだが。
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