偽りの婚約者



私が望む事……。



「計画は変更したんだ……間違ってた……お前に協力なんか頼むべきじゃなかった」



計画が変更……?
だから私には何も言わなかったの?
そっか、私はもう必要ないのか……。
私のほしい言葉なんて貰えるわけがなかったんだ―――――――――。



離れようとすれば抱きしめる手に力が籠る。
東條さんが分からない。


「離して下さいっ。
私はもう東條さんには必要ないんですよね。
だったら何で抱いたんですかっ?もう、やだっ……離してっ」


「勘違いするな」



離れようとして振り回した手は、あっという間に抑えられてしまった。



「千夏が好きだ」



ゆっくりと言い聞かすように聞こえて来た言葉に思わず顔を上げると真剣な表情の東條さんが見えた。



好きって本当に……?
信じたい。でも……。



「計画変更て何ですか?
復讐の事とか何にも話してくれないのに何を信じていいのか分かりません」



「全て、これから話す。だから逃げるなよ」



頷くと腕の力が緩んだ。


















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