HELP
 三号車と二号車の間にはトイレがある。男女別であり、ついでに用を済ませようと、トイレの扉に鳩葉が手を掛けたとき、中から制服を着た少女が現れた。少し体が触れ合う。
「ごめんなさい」
 それは本心から言ってる声音だった。
 思わず、「私の方こそ・・・・・・」と鳩葉は言ったが、制服の少女は三号車の方へ向かった。
 トイレに入った鳩葉は、制服の彼女に対する本心という言葉は掻き消え、疑惑が生じた。
 そこには、リトマス試験紙を棒状にしたものが捨てずに置かれていた。端っこの部分の色が変わっている。
 はて?
 どこかでみたような。
 その答えはすぐに思いつく。
 妊娠検査薬。
 一度、青葉が避妊しないで性行為を行ったときに心配でやったんだっけ。どうやら制服の少女は妊娠しているらしい。
 拳銃、妊娠、イカ臭、どうやら、りょうもう号は何かしらの問題を抱えているらしい。
 さらに青葉の言葉を思い出す。
『制服を着た少女が拳銃を突きつけてたんだ』
 やれやれ、まさか、違うよね?
 そんな疑問をよそに、鳩葉は用を足し、まずは一号車へ向かうことにした。まだ、時間はある。そんな思いが彼女にはある。
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