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 鈴音は左手に持っていた文庫本をおもむろに開いた。「恋をした人間はそれしか見えなく、他のことが二の次になる」
「あなたのファンになりそう。本なんか読んじゃって。人は活字から離れていくわね。ねえ、今からでも恋ってできるかしら?」
 さっき鈴音は、できる、と断言したと思うが、どうやら忘れているらしい。彼女は再度、本を開き、「恋ができないと思ったときに、恋は終わる」と言い添え本を閉じた。
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