ノスタルジア
「……澪?」
私が戸惑ったのは、そこに立つ彼がとても恐い顔をしていたから。
おかしいな……。
いつもの澪は無愛想に「おはよう」って。
「寝過ぎた」なんて、呑気な顔して私のところに来るのに。
どうしてそんなに冷たい顔してるんだろう……。
どうしてそんなに恐い視線を向けるんだろう……。
何も言えずに、彼の怒る理由を探した。
けど、案外それはすぐそばにあって。
「キキ……なんで勝手に玄関を開けたんだ」
初めて見る冷たい彼の視線に、私は言葉をつまらせた。