不機嫌honey
【シュリ】



あたしがブランドなの。



あたしは高い女。



そう自分に暗示をかけ、今日も仕事。



「シュリは僕の天使だよ」



英語でそう言うデザイナー。



とにかくあたしにメロメロらしい。



Mなんじゃないかと思う。



「シュリちゃんのためにカワイイ服、いっぱい作ってね?」

「うん、頑張るよ」



見返りは求めてこない。



なんか奴隷ができた気分で超気持ちいい~。



あたしに自分が作った服を着せるのが喜びらしいし。



彼の目には動くマネキンとして映ってるみたいだ。



そんなあたしの仕事ぶりを顔色一つ変えずに見てるのは、大嫌いなレイさん。



ユウリは男だからとかいって、ひとりで仕事場に行ったりすることが増えた。



レイさんはあたしに付きっきり状態。



「お疲れ、レイさん」

「シュリ、次に行くぞ」

「少しは休ませろ!!」

「時間がない。早く車に乗れ」

「クソメガネ!!」

「ふっ…。今のは小鳥のさえずりか?」



ムカつく!!



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