BLACK or WHITE



「───っ!!」



片腕を掴まれて、引き寄せられ、彼の唇は私のそれに重なった。


私がとっさにつき飛ばそうとしたのを、彼は無理やり抑え込む。



そして。



「んっ!?」



最初に感じたのは、私の嫌いな甘さだった。

しかし、次にベリーの香りと甘酸っぱさがつきぬける。そして、ほんのわずかな苦み。




どれほどそうしていたのか。
唐突に、身体が自由になる。



「…おいしかったでしょ?」



にやりと笑った彼に、私は真っ赤になって叫ぶ。


「馬鹿っ!!!!」



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