BLACK or WHITE


彼女をソファーに座らせると、ぐったりともたれかかり、言った。


「チョコの匂いに酔った…」

「は?」


彼女の言葉を理解するまでに、数秒の間。

そして、俺は状況を忘れて、思い切り吹き出した。


「ちょっと、笑い事じゃないんだから…」


怒る声にも、いつもの覇気がない。
それに気付き、俺は素直に謝る。


「いや、ごめん」


彼女の隣に座り、労るように髪を撫でた。



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