BLACK or WHITE



「俺も食べてみたけど、これはおいしかった」

「は?」


彼がおいしいということは、つまり…。



「…苦いもの、克服したの?」

「いや?」

「じゃあ、私はいらないわ」


彼が苦いものを克服した訳でなく、それをおいしいというのなら、それは、私の苦手な甘いものということだ。

そっけなく言って、彼に背を向ける。




「───そういうと思った」



笑みを含んだ言葉に、驚いて振り返ると。


彼は私を見つめながら、口の端だけを歪めていた。




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