BLACK or WHITE


それから、週に一度くらいの頻度で、彼がチョコレートをくれるようになった。



彼が抱えた大きな仕事が一つ片付いた頃…。


「澤井さん」


呼び止められて、振り向くと、いつものように四角い箱。


「また?」


うんざりしたようにつぶやくと、彼は目を丸くする。


「またでごめんね。でも、今日のは、いつもと違うブラックチョコだよ?」

「もういい加減に、社長にチョコが嫌いですって言ったらどう?」



チーフとはいえ、年齢が近いこともあって、いつの間にか、敬語は取れていた。
チョコレートをあげる、もらうという関係の中で、それはごく自然に。

彼は、別段それを気にしている様子もない。



「あ、これは社長からじゃないんだよ。海外に行った友人から」

「…へぇ」



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