BLACK or WHITE


「どうしたの?」


両腕で抱えたファイルが落ちてしまいそうで、少し心配しながら聞くと、黒田君はそのファイルを手近な机にドンと置いた。

そうして、一番上のファイルをさっと差し出す。


「センパイがさっき話しておられた資料って、これですよね?」

「あ、ありがとう。…わざわざ良かったのに」


今やっている仕事が片付いてから、資料室まで取りに行こうと考えていたものだった。

同僚と話していたのを、聞いていたのか、わざわざ探してきてくれたらしい。


「いえいえ、ついで、ですよ」


じゃあ、とまた大量のファイルを抱えて、彼は立ち去る。

< 94 / 114 >

この作品をシェア

pagetop