ひまわりの涙
ー4ー
次の日はほとんど眠れなく早くから目が覚めてしまった。

待ち合わせの時間は11時。

それまでかなり時間がある。

「はぁ…何で行くなんて言っちゃったんだろう…」

会いたくない訳じゃないけど、久しぶりに会う司に緊張は隠せなかった。

兄の親友、小さいときから会ってはいたけど2人きりで会うのは初めて。

何着てけばいいかなぁ。

普段からお洒落なんてしてなかったし、職場はスーツだったため服のレパートリーがない。

クローゼットを眺めながら、一着ぐらいはお洒落な服を買っておけば良かったと後悔していた。

「どうしよう…」

時計を見ると9時になっていた。

「やだ、いつのまにこんな時間になってたの?!早く支度しなきゃ」

慌ててクローゼットをあさると、と言っても少ない服の中から淡い水色のワンピースを手に取った。

着ることはないだろうと思いながらも一目惚れで買ってしまった一着。

本人もこの服の存在を忘れていた。

ユックリ手に取り鏡の前であててみる。

「まさかこの日に着ることになるとはね…」

別にいつ着るとか考えてはいなかったけど、今日だったことに苦笑いが漏れた。
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