ひまわりの涙
化粧もすませ時計を見ると10時半。

待ち合わせ場所は歩いて10分程の場所だが、気が焦って落ち着かないため家を出ることにした。

ストールを羽織って久々のヒールを履く。

いつもと違う服装の為か街の景色も違って見えるようだった。

周りの人の目線も気になる。

私やっぱり変なのかなぁ…

今日はやけに見られる気がする。

自然とうつむき加減になっていった。

やっぱり失敗したかな…と考えてると…

「歩くときは背筋を伸ばして前を向く!」

後ろから声を掛けられ背中をポンと叩かれた。

ビックリして振り向くと笑顔の司が立っていた。

180㎝以上はある長身にグレーのスーツをうまく着こなしている。

サラサラの長くもなく短くもない髪の毛。

冷たくも見える切れ長の目は今は優しい目つきへと変わっていた。

「つっ、つかさ…さん」

呆けて見ていたのかクスクスと司が笑い出した。

「何?やっぱり私変かなぁ…」

お洒落なんてしてくるんじゃなかった。周りの人達もきっとそう思ってみてたんだ。

悲しくなってまた俯いてしまった。

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