ひまわりの涙
「そっか…明日にでも検査にこい」

有無を言わせぬ強さがあった。でも私には兄に言われた仕事もある。

アパートも職場も気になっていた。

その事を司に伝えると

「そんな事あとでもいいだろう。まずは自分の身体のことを考えろ」

司は必死だった。

今すぐにでも病院に連れて行きたい衝動を必死に押さえてた。

「司さん?私そんなに悪いの?」

不安になって司に聞くと司は元々体が弱いから心配なだけだとしか言わなかった。

「司さん、私お兄さまに言われたの。神城コーポレーションをもっと沢山の人に知って貰うために広告をだすって。CMも撮るんだって。そのモデルを私にやって欲しいって」

司は黙ってベッドに座りながら聞いていた。

「何故私?って思うでしょう?私もそう思うの。世の中には沢山綺麗な人がいる。モデルさんも沢山…それなのに私にって…お兄さまの考えが分からない…」

司は何も言えなかった。辞めろと言いたくても言えなかった。

ただ黙って頭を撫でていると規則正しい寝息が聞こえくる。

寝顔だけは隠せないなぁ。素直な君の本性。

司はおでこにキスをした。

「ユックリおやすみ、君はこれから本物のお姫様になるんだから…」


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