44チャンネル-呪われた都市伝説-
音楽を爆音で流してノイズを遮断、これはあまりにも危険な手段だった。

もしもノイズが音楽の音量を遥かに凌ぐ音の大きさだとしたら、俺は聴覚からの精神破壊で自殺者と同じ末路を歩むことになる。


耳栓。
これも同じ、耳栓で遮断できる音なんて限られている。


部屋から出てノイズの届かない場所へ。

これが一番の最善策だった。

俺は44チャンネルが精神破壊を引き起こすものだと分かっている。

だが今までの人達はそれが面白い番組、あるいは勝俣や勝俣の仲間から44チャンネルを見るのが呪いから逃れる方法だという嘘を素直に受け止めて見てきてしまったんだろう。

俺が部屋を抜け出して一階にでも降りていってしまえばノイズは届かない。だがそれでは下の見張りの奴らに状況がバレてしまう可能性がある。


仲間はその状況を勝俣に連絡するだろう、そして勝俣は44チャンネルの真実を知った俺を何らかの形で消しにくるに違いない。

奴には仲間がいる、銃器やナイフを所持している可能性もある。

そうなると俺はいつ殺されてもおかしくない立場になってしまう。

俺が44チャンネルを見てしまったように勝俣に思わせることは中々難しい。
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