・*不器用な2人*・(2)
白地にオレンジのラインが入ったユニフォームは、この学校のバスケ部のものだ。
足の付け根より下まである少し大きめのユニフォームと、膝を覆い隠すほどにルーズなズボン。そして長い茶髪を結わえた独特の髪型。
スラッと背の高い都会的な外見。
それはバスケ部には珍しくない……けれど校内では充分に珍しい容貌だった。
――治外法権って本当だったんだ。
校則では完全に禁じられたその格好をまじまじと見ている私の横で、淳君が目の前に立っている男子生徒へと手を伸ばした。
「1年?2年?」
淳君に聞かれた生徒は困ったように視線を漂わせながら「2年」と答える。
「何かあったの?」
淳君に聞かれた男子は目をごしごしと擦りながら「いや、全然何もなかったんですけど……」と笑った。
「目にゴミが入っちゃって。
それで目洗うために部活抜けてきたところなんです」
淳君は目を腫らした後輩をジッと見下してから、「そっか」と小さく呟いた。
「擦らない方がいいよ。
部活中に呼び止めてごめん」
淳君の言葉に男子はまた笑顔を作って大きく頷くと、先ほどのようにパタパタという足音を立てて廊下を走って行った。
足の付け根より下まである少し大きめのユニフォームと、膝を覆い隠すほどにルーズなズボン。そして長い茶髪を結わえた独特の髪型。
スラッと背の高い都会的な外見。
それはバスケ部には珍しくない……けれど校内では充分に珍しい容貌だった。
――治外法権って本当だったんだ。
校則では完全に禁じられたその格好をまじまじと見ている私の横で、淳君が目の前に立っている男子生徒へと手を伸ばした。
「1年?2年?」
淳君に聞かれた生徒は困ったように視線を漂わせながら「2年」と答える。
「何かあったの?」
淳君に聞かれた男子は目をごしごしと擦りながら「いや、全然何もなかったんですけど……」と笑った。
「目にゴミが入っちゃって。
それで目洗うために部活抜けてきたところなんです」
淳君は目を腫らした後輩をジッと見下してから、「そっか」と小さく呟いた。
「擦らない方がいいよ。
部活中に呼び止めてごめん」
淳君の言葉に男子はまた笑顔を作って大きく頷くと、先ほどのようにパタパタという足音を立てて廊下を走って行った。