冷酷社長の極上の愛
第一、

名前や顔を覚えるつもりはこれっぽちもなかった。

ただ、父についていってたにすぎない。


「・・・ごめんなさい。

ちっとも覚えていないです・・・」


私の言葉に新は首を振る。


「仕方がありませんよ・・・

あれだけの人です。覚えるなんて難しい」


・・・

「…率直に言わせていただいてもよろしいですか?」


「…ええ」


「今回、私は貴方に会う事すら知りませんでした。

こうやって、会ったところで、

貴方とどうにかなる事はない・・・

私には好きな人がいます」


「お付き合いをされてるんですか?」


「・・・いいえ。

でも、好きな事に変わりはない。

だから、貴方とはこれで最後です。

私はこれで失礼します」


「・・前原亜紀さん」


「…なんですか?」
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