続・鉢植右から3番目

3、女王様のプレゼント



 結局一晩、半日の入院で私は家に帰った。

 戻るとすぐにシャワーを浴びて、ひたすら眠った。

 喜びは持続していたし、何よりも、今や心のつっかえが全て綺麗に流れ去っていた。

 彼が私の過去に全くといっていいほど何も思ってなくて、体調不良は妊娠のせいであると確認出来たのだ。

 疑問はまだ残っている。だけど、昨日の夜、私は彼を信じようと決意したのだ。何か理由はあるはずで、それを私が知らないなら、知る必要はないと彼が思ったことなのだろうと。

 それならそれで、知らなかったことにしようって。

 そう思ったのだ。

 だから幸せな眠りについていた。タオルケットにくるまって、体を丸めて眠っていた。

 夕方、夕日が眩しすぎて起きた時、丁度チャイムが鳴った。

 一瞬夢かと思った。でも頭を起こすともう一度チャイムが鳴ったから、あ、これは現実かとハッとしたのだ。

「・・・はいはーい」

 ヨロヨロと、目を擦りながら玄関まで行く。宅配便でーす、との声を聞いて、あ、と思った。

 これは、まさかまさか!

 パチっと目が覚めて、判子を握り締めてドアを開ける。そこには大きめの段ボールを持って立つ、運送会社のお兄さん。



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