続・鉢植右から3番目


「ご苦労様です」

 受け取って判子をおし、業者を見送ってから荷札を見ると、やっぱりだった。

 渡瀬百合―――――――元ダイナマイト副会長の名前が書いてある。

 宛先は、漆原大地様になっているから、ヤツが帰ってくるまで待とう。すっごく中身が気になるけど、宛先がヤツになったいるものを勝手にあけるわけにはいかない。

 うずうず。

 気になって、食事の準備をしている時にも何度も視線をそっちへやってしまった。

 しゃがみ込んで段ボールをじいっと見る。うーん、透視能力が欲しいとこれほど強く思ったことがあっただろうか!(いや、ない。反復疑問文。)

 しゃがみ込んだままでパタパタと膝を両手で叩く。

「大地くーん」

 早くお帰りくださいー。

 時間が過ぎるのを待っている時って、時間は流れてくれないものなのだ。私は最後の方にはイライラしながらヤツの帰宅を待っていて、ヤツがやっと帰って来たときには不機嫌だった。

「お帰り!」

「・・・・何で怒ってるんだ?」

 玄関を開けた途端、超不機嫌な妻の出迎えを受けて、やつはうんざりした顔をした。

 私はちょっと反省する。


< 128 / 151 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop