続・鉢植右から3番目


 そうか、今日は退院して戻ってきた日だったっけ。昨日病院まで来てくれて別れた夫に一日ぶりに会って、いきなりこれじゃああんまりか。

 私は右手で頭を掻きながら言った。

「す、すんません!だって、早く開けたくて」

「ん?」

 私の横を通り抜けながら、ヤツはスタスタと荷物を置きに寝室へ行く。私はドラ〇エのようにその後をひっついて歩きながら、ベラベラと喋った。

「ほら、渡瀬さんからお届けものなんだよ~!早く中身がみたくてさあ!」

 私が指差す先の、テーブルの下に置いてある大きな箱を通りすがりに横目で見て、ヤツはアッサリと言う。

「開けたらいいでしょ」

「だって君宛なんだよ!勝手に開けられないでしょ?」

「・・・」

 鞄を置いて洗面所に手を洗いにいくヤツに、まだ私はぴったりとひっついて行く。

 手を洗いながら、鏡越しにため息をつかれた。

「そんなこと気にしないから、開けたらいい」

「私が気にするの!」

 ヤツはいつものようにちらりと私を見た。

「・・・面倒臭い人」

「喧しいわっ!!」


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