続・鉢植右から3番目


 ・・・・・むかー。この男、面倒臭さを秤にかけやがった~。うわーん、可哀想な私~。

 もし倒れることがあったら、どれだけしんどくても自力で救急車を呼ばなくてはならないのかも。畜生。

 改めて引きつると、渡瀬さんが振り返って私に言ったんだった。

「ねえあなた、この人の一体どこがいいの?」



 本当、それ。





「お待たせしましたー」

 ハッとして顔を上げた。金髪の彼女でなく、いつの間にか入ったらしい新しい男の子がモーニングを私の前においてくれていた。

「・・・あ、すみません。ありがとう」

 お礼を言うと、はにかんだ顔で笑う。・・・おお、可愛い。

 可愛いで思い出したけど、以前はここにいた子犬系の大学生の男の子はいないのかなー。つい、こっそりと店内を見回す。

 今日は入ってないのかなー。去年奈緒と来た時には居たんだけどなー。あ、でも学生さんだったんだし、もしかしたら卒業で辞めちゃったのかも・・・。

 砂糖を二つ落としてミルクはなし。私の好きなコーヒーの飲み方だ。

 目を閉じて、香りを吸い込んだ。

「頂きます」

 小さく呟いて、本日の素敵なモーニングを食べだした。


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