ヴァイス君の日常


こんなとこを王子に見られたら瞬殺されるな・・・


「ヴァイス様、このお薬を飲んでくださいね」


そう言ってトレーに乗せた薬と水をベッド脇のテーブルに置いた。

その薬は見るからに苦そうな色。


「・・・これ、飲まなきゃダメかなぁ?」


俺、薬って苦手なんだよね・・・


「そうですね・・・お熱が高いので飲まないと辛いですよ。このお薬は苦いですけど、飲んだ後にこれをどうぞ」


差し出してくれたのは


「・・・プリン?」


俺の大好物のプリンだった。


「はい。今日、作ったので・・・これはヴァイス様用です」


大食いなのを知っている姫さんは俺専用サイズを用意してくれる。

今、目の前にあるプリンもバケツサイズだ。


「マジで?じゃあ、頑張って飲む!」


もう、プリンしか目に入らない俺は苦そうな薬を口に放り込んで水で一気に流し込んだ。

予想通り口に広がる苦い味・・・

それを掻き消すようにプリンを頬張った。


「う~・・・天国っ!!」


苦さで一杯だった口内にプリンの甘味が浸透していく。



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