小さな初恋
「うわあ~気持ち良いね、風…」


長い髪を靡かせながら、

花柄は屋上に入っていった。



屋上の鍵は、

古くて壊れているせいで、


簡単に開いてしまう。




これは、

バカな初真に教えてもらったこと。


鍵が開くからサボるときは、

いつも屋上に行く。



「で、どうしたの?」


初めて入った屋上にはしゃぐ花柄に、

冷静な声で聞く。



フェンス越しにグラウンドを眺めていた花柄が、


こっちを向く…



「好きなんでしょ?葵さんが…?」














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