小さな初恋

恋人

青い空が、


今誕生した恋人を祝福するように、



眩い光を発した。





俺は二人に背を向けて、

屋上を後にした。



「おめでとう」


初真はきっと、

今、幸せなんだろうな?



幸せを願えないのは、

俺だけだ…





「ただいま…」


授業休憩の間に、

こっそりカバンを持ち出した俺は、


家に帰った。





「…えっ?!…愛斗?!」


リビングに行くと、

なぜか兄貴がいた。



「なんでいんの?」

「今日、
俺は三時間授業だから。

お前、まだ学校だろ?」



不思議がっている兄貴に、


「自主早退☆」とおどけて言うと、



「そういうのは、サボりって言うんだよ!!」


って頭を叩かれた…







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