小さな初恋
「なんかあったのか?

…愛斗?」



兄貴がテーブルに麦茶を出すと、

心配したようにそう言った。





「えっ?!」


兄貴がそんなことを言うなんて、珍しい…



「…泣いてる…」

静かに呟いて、


兄貴は麦茶を飲んだ。



「…あッ…」

気がつくと、

俺の目からは涙が止まらなく溢れていた。



男が泣くなんて格好悪い…


「泣いてねぇよ…」

俺が強がっていると、


「花柄ちゃんとなんかあった?」


って、聞いてきたんだ…





なんで皆、

俺と花柄が付き合ってるみたいな言い方するんだよ…



花柄の彼氏は…











初真なんだ







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