小さな初恋
『あッ…』


あたしの手を掴んでいたのは…


話したこともない、

健斗だった…



『村井…です…』

やだ…


健斗には見られたくない

こんな顔…



『初めまして…だね?』

初めて見たときの大人っぽい雰囲気とは違い、


笑った顔は子供のように可愛らしかった。



けれど、

あたしは真っ赤になった頬が恥ずかしくって、



まともに見れなかった





『なんで…

あたし知ってるの?』


あたしの存在なんか、

7組まであるんだから、知らないと思っていた



名前なんて愚か…

顔も覚えていないと…




そう思っていたんだ





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