悪魔的に双子。
「なぁんでそんなこと隠してたんで?」
とりあえず落ち着かせようと蓮をベンチに座らせると、蓮は好奇心というより、至極不思議そうな顔をして言った。
「べつに隠してた訳じゃないよ。ただわざわざ言うのも変だし、黙ってたら誰も気づかないしで、そのままにしてたら、なんかその方が楽だなぁってなっちゃったの」
自分の耳で聴いても妙に言い訳じみてるけど、こんな風にしか言いようがない。
「真昼王子は?」
王子呼びに顔をしかめつつも、一応のごとく口を開く。
「べつに」
………べつに、ってなんだそりゃ。
まぁ、言いようがないよなぁとも思う。
故意に隠してた部分がないわけじゃないけど、ここまでずるずる誰にも教えなかったのは、ほとんどなりゆきだ。
「……それにしても、今の話聞くと、唯流姫ってますます恐ろしいですね」
ほえ?
「なんで」
わたしの問いに蓮は笑う。
「だってそうでしょ。義理とはいえ兄妹だってこと、さすがに先生たちは知ってるのに、それを全校の前で堂々暴露なんて。知ってる先生たちはさぞかし複雑な心境だったと思いますよ」
確かに。
でも………
「唯流はそのへんのことは考えないからなぁ」
唯流は直球。
自分が行くと決めた先のことしか考えていない。
外野の事情なんて、あのお姫様からすれば論の外なのだ。
「そしてさすがは唯流姫の双子の兄。真昼王子も負けていない、と」
蓮のにやにや笑いが真昼に向けられ、ついでわたしに向けられる。
「……どういう意味だよ」
真昼の桃色の唇から漏れたのはことのほか低い声で、わたしは思わずびくりと身体をすくませた。
しかし蓮はどこ吹く風で、よいしょ、とベンチから立ち上がる。
「さて、と。あんまりお母さまを待たせてもあれなんで、わたしたちはそろそろおいとまします。」
あまりにもあっさりしているので目を見開く。
「あれ、もっと詮索されるかと思った」
「……青さんのそういう正直はとこは好きですよ」
苦笑を漏らしながら、蓮がひらひらと手を振る。
「じゃ、また今度」
田城もにこっとわたしたちに微笑みかける。
「じゃ、また学校で」
「………うん」
なんとか笑みを返して手を振り返すと、背を向きかけた田城があっ、と声を漏らして再びこちらを向いた。
「2人とも、早く仲直りしなよ」
え?と疑問を投げかける暇も与えず、田城は蓮の後を追っていってしまった。
残ったのはちょっぴり気まずいわたしと真昼。
真昼がははっ、と力のない笑い声をあげる。
「青、怒ってること、成海に見透かされてるじゃん」
「………真昼だって、蓮になんか言われてたじゃない」
どちらともなく、はぁ、とため息をついた。
とりあえず落ち着かせようと蓮をベンチに座らせると、蓮は好奇心というより、至極不思議そうな顔をして言った。
「べつに隠してた訳じゃないよ。ただわざわざ言うのも変だし、黙ってたら誰も気づかないしで、そのままにしてたら、なんかその方が楽だなぁってなっちゃったの」
自分の耳で聴いても妙に言い訳じみてるけど、こんな風にしか言いようがない。
「真昼王子は?」
王子呼びに顔をしかめつつも、一応のごとく口を開く。
「べつに」
………べつに、ってなんだそりゃ。
まぁ、言いようがないよなぁとも思う。
故意に隠してた部分がないわけじゃないけど、ここまでずるずる誰にも教えなかったのは、ほとんどなりゆきだ。
「……それにしても、今の話聞くと、唯流姫ってますます恐ろしいですね」
ほえ?
「なんで」
わたしの問いに蓮は笑う。
「だってそうでしょ。義理とはいえ兄妹だってこと、さすがに先生たちは知ってるのに、それを全校の前で堂々暴露なんて。知ってる先生たちはさぞかし複雑な心境だったと思いますよ」
確かに。
でも………
「唯流はそのへんのことは考えないからなぁ」
唯流は直球。
自分が行くと決めた先のことしか考えていない。
外野の事情なんて、あのお姫様からすれば論の外なのだ。
「そしてさすがは唯流姫の双子の兄。真昼王子も負けていない、と」
蓮のにやにや笑いが真昼に向けられ、ついでわたしに向けられる。
「……どういう意味だよ」
真昼の桃色の唇から漏れたのはことのほか低い声で、わたしは思わずびくりと身体をすくませた。
しかし蓮はどこ吹く風で、よいしょ、とベンチから立ち上がる。
「さて、と。あんまりお母さまを待たせてもあれなんで、わたしたちはそろそろおいとまします。」
あまりにもあっさりしているので目を見開く。
「あれ、もっと詮索されるかと思った」
「……青さんのそういう正直はとこは好きですよ」
苦笑を漏らしながら、蓮がひらひらと手を振る。
「じゃ、また今度」
田城もにこっとわたしたちに微笑みかける。
「じゃ、また学校で」
「………うん」
なんとか笑みを返して手を振り返すと、背を向きかけた田城があっ、と声を漏らして再びこちらを向いた。
「2人とも、早く仲直りしなよ」
え?と疑問を投げかける暇も与えず、田城は蓮の後を追っていってしまった。
残ったのはちょっぴり気まずいわたしと真昼。
真昼がははっ、と力のない笑い声をあげる。
「青、怒ってること、成海に見透かされてるじゃん」
「………真昼だって、蓮になんか言われてたじゃない」
どちらともなく、はぁ、とため息をついた。