悪魔的に双子。
「……青、怒ってるんだよね……昨日、僕がキスしたこと」


ベンチに並んで腰かけると、真昼は沈んだ声でそう言った。


分かってたのか。


怒ってるわけではないけれども、真昼はまったく気にしてないのだと思ってたから、少し驚いてしまった。


「………別に、怒ってないよ」


「うそ」


「うそじゃない」


「だって目ぇ合わせないじゃないか」


「それはっ………」


ベンチの前を通りすぎていく女の子の集団が、ちらちらと真昼の顔を見て頬を染める。


最悪だ。


わたしも今あんな顔してる。


「それはね、………かったからだよ」


「なに?」


聴こえない、と言って真昼の顔がぐっと近づいてくる。


いつからだろう……


「だから………」


真昼の色素の薄い瞳に見つめられると、こんなにドキドキするようになったのは。


「恥ずかしかったからだよ」


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