悪魔的に双子。
「ちょっと、青……怒ったの?」


真昼の声に、ふんっとあからさまに首を背ける。


何も答えないわたしにしびれを切らしたのか、真昼は直球で尋ねてきた。


「その……リンタロ?先輩とやらは……青の彼氏?」


わたしは拗ねた顔のまましばらくフリーズした。


「違うっ、それはない!あり得ない‼」


顔を真っ赤にして反論するわたしに、真昼が目を細める。


「ホント?じゃ、何で一緒にいたの?」


正直問いつめられなきゃいけない理由がわからない。


しかし、この時のわたしは心臓が無駄にドキドキしてそれどころではなかった。


「それは……たまたま?」


音楽室のことは何となく言いたくなくて、わたしは曖昧に答えた。


「ふぅん」


真昼はいまいち納得していない顔をしたが、とりあえずうなづいてくれたのでほっとした。


「じゃ、あの先輩とはただの知り合いなんだ」


「そう、彼氏とかはないよ」


何か自分で言って悲しくなってきた。
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