Many☆Love
唇を離して、目が合って笑った。
「さぁ、帰るか」
スタスタ歩いて行く田中くん。
「え、ちょっと待ってよ~」
もっと一緒に、いたいな……。
「遅いぞ。歩くの」
ドアを開けて待つ田中くん。
「ごめん。ごめん」
屋上を後にして、昇降口へ向かう。
「来い。」
「ひゃあっ!!」
グイッと腕を引かれ、彼の胸へ吸い込まれた。
ふわって持ち上げられた。
お、お姫様抱っこってやつですか!!!!!
照れる。
恥ずかしい。
「こうすると、紫音の顔近くで見れる」
なんで、そんなに恥ずかしいセリフをサラッと言っちゃうんだろう……。
っていうか、紫音って呼んでくれた……?
嬉しい。