Many☆Love
「じゃあ、紫音は俺のどこが好き?」
「最初は、すっごい女好きのチャラ男だと思ってた。
だけど、優しくて心がすごくきれいで……。
私も全部が好き。大好き。」
「俺は、本当に全部が好きなんですー。真似しないでくださーい。」
ちょっと拗ねている田中くん。
子どもっぽい。
やっぱり、かわいい。
「へへへ。田中くんかわいい」
「その『田中くん』って呼び方なんとかしろ。」
「えー」
「俺だって下の名前で呼んでるじゃん」
「じ、じゃあ、下の名前で呼べばいいの?」
恥ずかしいよう………。
「そうだよ」
「っっ……は..るま…」
「よくできました」
満足そうに笑う。
「やっぱり しばらくの間は田中くんでいいかな?」
ファンの女の子にバレたら、やばい……。
「しょがねーな」
私の心のうちを読んだかのように、優しく微笑んで、私の頭をくしゃっとなでた。