Many☆Love
「田中くん………?どうしたの?」
「眠れなくて」
よいしょっと私の隣に腰を下ろした田中くん。
「そっか。私と一緒だ」
どれくらいだか分からない。
長い時間、海を眺めた。
星もすごくきれいだった。
「もうすぐ日の入りだ」
ずっと黙っていた田中くんが、言った。
「きっとすごくきれいだろうね」
辺りが薄暗くなって、少しオレンジ色になってきた。
しばらくすると、海のずーっと向こう側からオレンジの光が出てきた。
きらきらと海の水面に反射してきれい。
喋ることを忘れて見入ってしまっている。
「私、この景色絶対忘れないね」
そろそろ、先生も起きてくる頃。
戻らないと!!
「ありがとう」
田中くんにこう言い私は、ホテルに戻った。
泣いていた私を元気づけてくれたのかな?
やっぱり、優しい人だ……。
田中くんを見るとドキってしたり、嬉しくなったりするのって……恋なのかな??