お嬢様になりました。《番外編》
次の日、嵐は再びやってきた……。



「交換留学でイタリアの姉妹校から来たカルロ・ベラルディだ。 今日から卒業までこのクラスで過ごす事になる」



相模先生の言葉に気が遠くなる。


卒業までって……長っ!!



「卒業までの約一年間、宜しくお願いします」



流暢な日本語で話をするカルロに、女子生徒はうっとりした表情を浮かべた。


確かに中々お目にかかる事が出来ない美貌の持ち主だ。


玲も隆輝も綺麗な顔立ちだけど、カルロは日本人にはない美しさがある。


前に立っているカルロとふと目が合った。


緑がかった瞳に吸い込まれてしまいそう。



「ベラルディ、お前の席はあそこの空いてる席だ」



相模先生の指す席を見てギョッとした。


と、となりぃぃぃー!?



「葵」



固まっていると、頭上から声が降ってきて顔を上げた。


カルロの綺麗な顔に見下ろされ、思わず頬がかっと熱くなる。



「宜しくね」

「あ、うん、宜しく」



カルロはニコッと微笑むと、隣の席に腰を下ろした。


なんちゅー嫌な席順。


隆輝とカルロに挟まれて、後ろには玲。


怖くて隆輝の方を見られない。


後ろからも何だか視線を感じる気がするし……。


もう、胃が痛い……。





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