お嬢様になりました。《番外編》
隆輝とああやって寄り添って、買い物して、食事して、話をして……もっと積極的に二人の時間を作ってたら、今みたいにギクシャクせずに済んだのかな?


もっと、甘えられたのかな?


後悔ばっかり……。



「葵、乾杯しよう」



ボーっと外を眺めていたらカルロに声を掛けられ、ドキッとした。


カルロにグラスを差し出され、それを受け取った。


このシュワシュワしてるのって……シャンパン!?


私たち未成年なのにこんなの堂々と飲んでいいの!?



「あははっ、安心してよ。 これはシャンメリーだから」

「あ、そうなんだ」



そうだよね、普通に考えてアルコール飲むわけないか。



「僕はお酒でも構わないんだけど、変な噂が立つと葵に迷惑をかけちゃうからね」



いつもカルロは私を最優先に考えてくれる。


心地良いと思いながらも、どこか物足りなさを感じてしまうのは、心の大半を隆輝が占領しているからだろう。



「葵、乾杯」

「乾杯」



私たちはグラスを合わせ、シャンメリーを一口飲んだ。


大人の真似事をしているみだいで、少し恥ずかしくて、だけど楽しかった。






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