《改稿中》V系霊媒師「咲邪」†SAKUYA†《改稿中》
「後はなんだ、ミツキ君の事を忘れずに、いつも思っていてあげる事だ」


 それが前田に出来る唯一の供養なのだ。斬汰は柔らかな微笑みを浮かべ、前田の肩をポンと叩いた。


「解りました。これ迄以上に思い出すよう心掛けます」



〇※○※○※



 スタジオのVIPルーム。まだヴォーカルラインは確定していないが、例の新曲の演奏は完成に近付いていた。


「よし、ロッシーン行くぞ」


「ワン、トゥー」



  ダダダダーァン



 ベースを振りかぶって叩きつけるように弦を弾ハジく咲邪。細く、長い足を大股に開き、低い位置でコードを掻き鳴らす覇龍。そしていかにも楽しそうに、満面の笑みを浮かべてドラムを打ち付ける斬汰。

 今日も『クロレト』のコンビネーションはばっちりだ。しかし……。


「アアァ〜ァ?!」


 演奏に負けない程の大声で叫ぶと、悔しそうに顔を歪める咲邪。


「どうしたぁ、咲邪ぁぁ!」


「折角考えた決め口上、言うの忘れちゃったじゃない!」


 斬汰もスティックを打って賛同する。


「そうだ。なんか忘れたと思ったんだ」


 覇龍は「何だ、そんなことか」と思いつつ、仕方無しにみんなと合わせている。


「まぁなんだぁ、今度はしっかり決めなきゃぁなぁぁ」


 今日も彼らの演奏は続く。


   To be next stage!


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